再生可能エネルギー・バイオマスの利用

エネルギーを再生可能な形で補充

最終更新日:2016/05/02

推定市場規模
10兆円

 経済発展に伴い発電電力量は2000年以降年平均3.4%の伸びで、2010年には21兆kWhに達した。このうち石炭火力発電の割合は約4割を占めるが、1kWhあたり500~1000gの二酸化炭素を排出しておりこれが地球温暖化加速の一因であると言われている。
そのため近年、地球に優しいクリーンなエネルギーが注目されている。太陽光を利用したメガソーラーや、風力・地熱・水力を利用した発電は、1k Whあたりの二酸化炭素排出量が火力発電の1割程度で済む有望なエネルギー元である。
今後、全体的なエネルギー効率を高めつつ、コストを削減することで、クリーンなエネルギーの利用が促進すると期待されており、弊社独自の調査では2020年には世界市場規模は10兆円に上るとされている。

未来への変化の兆し

  • 紙ごみ・生ごみを原料にバイオエタノール製造

     再生可能エネルギーの導入については、発電設備の価格が高く、日照時間等の自然状況に左右されるなどの理由から利用率が低い等の課題から、火力発電などの既存のエネルギーと比較すると発電コストが高い、出力が不安定で地形等の条件から設置できる地点も限られているなどの課題が挙げられる。
     日立造船は「紙ごみ」と「生ごみ」を原料としたバイオエタノール実証プラントが完成し、実証試験を開始したと発表した。家庭等から回収する一般廃棄物中の紙ごみや生ごみ等のバイオマスから化石燃料の代替となるバイオエタノールを製造し、さらに、発酵残渣からメタンガスを製造することで、バイオマスが保有するエネルギーを最大限に回収できる。
     また本技術では蒸留やメタン醗酵のプロセスにおいて熱源を必要とするが、ごみ焼却発電施設における未利用の低温排熱を活用することを想定しており、エネルギーの有効活用を図ることができる。
     日常生活から生まれる廃棄物をエネルギーとして活用することで、再生可能エネルギーの課題を克服した循環型社会が実現されるものと期待される。 紙ごみ・生ごみを原料にバイオエタノール製造
  • 食糧廃棄物を利用したバイオ燃料

     地球上で1年間に生産される食糧は13億トンにも及ぶが、そのうち約3分の1は廃棄処分となり食べられないまま捨てられている。
    この膨大な食糧廃棄物を燃料に転換することで、自動車や暖房といった都市生活に必要とされるエネルギー源に活用しながら、一方で廃棄物処理のための埋め立て用地の節約や衛生面など環境の点においてもメリットのある手法の研究が進んでいる。

     燃料に転換するためのプロセスにおいては、食品廃棄物や汚水汚泥をメタン発酵あるいは部分燃焼させることで製造する。製造の過程で残留した廃棄物についても肥料や飼料として更に利用が可能となる。
    そして、この燃料は石油の代替物として利用できるだけでなく、原料となる植物・食糧が光合成により二酸化炭素を吸収することもあるため、燃焼時に二酸化炭素が発生しづらいという点やガソリンに一定量混入させて利用することで温室効果ガスを削減できる点もメリットとして挙げられる。
     しかし実用化に向けての課題も残っており、こうしたバイオ燃料は熱に弱く酸化しやすいという特性を持つため利用するまでの保存場所や貯蔵手段について。更に改善が必要な状況である。

     現在は26トンの食糧廃棄物から約1トンの燃料が生産可能とみられており、食糧廃棄物をバイオ燃料に転換することで廃棄物処理コストを削減すると共に輸入に頼らざるを得ないエネルギー資源を自国で生産できることにも繋がる。 食糧廃棄物を利用したバイオ燃料
  • バイオ燃料の自動車応用

     植物などの有機物から生産されるバイオ燃料は植物が大気中のCO2を吸収することからカーボンニュートラルな石油代替エネルギーとされている。特にバイオ燃料の自動車産業への応用は、オイル需要、エネルギー・セキュリティ、パブリック・ヘルスを改善するものとして期待されている。

     バイオ燃料の特性としてガソリンと相性が良く混入して使用が可能であり、ガソリン内燃機関の改造も不要でノッキングが発生しにくく再生可能資源から生産されるため持続可能な燃料である点が挙げられる。
     これは自動車で使用する燃料として都合が良いだけでなく、燃焼させても地表の循環炭素量や二酸化炭素の総排出量増加を招かず環境保全にも繋がる。

     石油の生産量に限界が見え始めただけでなく環境破壊が問題視される現在において、こうしたバイオ燃料をより実用化に向けて進める事で環境と産業双方の問題を解決し、持続可能なモビリティ社会の構築が期待されている。 バイオ燃料の自動車応用
  • 太陽光エネルギーの効率的利用

     再生可能エネルギーと呼ばれる分野において、既に実用化されているものの一つに「太陽光エネルギー」がある。
     メガソーラーや家庭用の太陽光発電システム、太陽電池など様々な手法が知られているが、太陽エネルギーの約半分は「近赤外光」というエネルギーが低く太陽電池での有効活用が難しいもので占められていた。
     また、太陽光エネルギーの有効活用手段として注目を浴びている「人工光合成」では、太陽エネルギーを元に水素を生み出す技術として期待されているが、こちらも可視光を効率よく利用することは難しいとされ、利用できる光の波長範囲が限られるという課題があった。

     2015年6月、九州大学大学院工学研究院/分子システム科学センターの研究グループは、こうしたこれまで利用が難しいとされていた低エネルギーの光を高エネルギーの光に変換する「フォトン・アップコンバージョン技術」の実用化に必要な分子組織体を世界で初めて開発した。

     分子の自己組織化を用いるという全く新しいアプローチにより、その量子収率は理論上の最大効率50%となり、またゲルや薄膜といったさまざまな形態の材料に展開可能なため折り曲げたり伸ばしたりするフレキシブルデバイスの基盤材料としても期待されている。

     こうした研究が、今後将来的に近赤外光→可視光→紫外光とより大きなエネルギーの光に変換する色素系へと応用されることで、太陽電池や人工光合成の効率を高めるための画期的な方法論になると期待されている。 太陽光エネルギーの効率的利用

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