持続可能な社会・再生可能エネルギー

大気汚染の防止

最終更新日:2016/10/24

推定市場規模
約24兆円

 大都市におけるゴミや廃棄物を起因とした大気汚染、その他森林伐採などによる生態系の変化など、健康的に暮らす上での大気汚染という課題は日に日に重要度を増している。
 今後の人口増加と都市部への集中、途上国における急激な経済成長などを見据え、今よりも効率的かつ効果的な大気汚染への対策が必要であり、廃棄物の燃料への転換や大気汚染物質を分解・抑制する技術の研究などが世界中で進んでいる。
 環境省による2012年に発表された「環境汚染防止」に関する市場規模は、2020年には国内のみで約24兆円になると予測されている。

未来への変化の兆し

  • 帯電微粒子水による空気清浄

     近年大気汚染に関する話題でよく耳にする「PM2.5」について、どのような対策を打つべきか。
     多環芳香族炭化水素やアルカンをはじめとする含有物質や黄砂に付着するビルカンデラ菌を分解・抑制する方法として、一般的に「ナノイー」と呼ばれるナノサイズの帯電微粒子水の研究が進んでいる。

     ナノイーは水に包まれた微粒子イオンであり自然界にある水分からできているため人体への悪影響が無く、水分量はマイナスイオンの約1000倍以上でカビ菌やニオイ、アレル物質などの原因を抑制する性質がある。
     2014年にパナソニックは大気汚染物質PM2.5の含有毒性にナノイーが8時間で約98%以上の抑制効果があることを実証し、「ナノイーデバイス」では空気中の成分からナノイーを発生させるため新たな資源を必要としない画期的空気清浄手法であることを立証した。

     この技術はPM2.5に留まらず自動車・電車・飛行機などの移動環境や医療現場や家庭・オフィスなどの環境改善などにも有効と目されており、幅広い展開に期待されている。
     今後更に実用化に向けた研究が進めば、アレルギーの発症や日々の生活における大気汚染の理由となる物質への対策として有効な手法となっていく可能性がある。 帯電微粒子水による空気清浄
  • ゴミや産業廃棄物を燃料利用する

     家庭や都市から排出される排水・ゴミによる環境汚染だけでなく、海洋へ流出したゴミが引き起こす生態系への影響などは地球全体の問題となっている。
     現在これらの廃棄物、特に木材廃棄物をバイオマス燃料に転換し環境汚染を抑えるという手法に注目が集まっている。

     2014年アメリカ・アイオワ州にとあるバイオエタノール工場が操業を開始した。
     この工場では米や廃棄物によるバイオ燃料を生産するのだが、従来のバイオエタノールは主に食用トウモロコシ廃棄物を使用しており、それらは土壌の肥料になることから多くを燃料へと転化することは良しとされなかった。しかし同工場ではトウモロコシ系バイオエタノールと異なるセルロース系と呼ばれ茎や葉をはじめとする有機廃棄物をバイオマスの燃料に活用する手段を取った。
     セルロース系バイオエタノールは大気汚染物質や温室効果ガスの排出量を同じ量のガソリンを使用した時と比べて最大86%削減する効果があると見込まれている。

     既にこうしたセルロース系バイオエタノールに関するプロジェクトは各地で始動しているが、バイオマスの分解と燃焼に変換する新技術の開発コストは決して安くはないため、今後は低コスト化とそれによる実用化に向けての進化が期待されている。 ゴミや産業廃棄物を燃料利用する
  • 空気中のCO2で燃料生成

     環境汚染を食い止めるために、よく言及されるのは「CO2排出量の軽減」と「環境にやさしい燃料生成」という点だが、アメリカの自動車メーカーFord(フォード)が350万ユーロを投資しているのは、まさにこの2つを同時に実現するような技術だ。

     同社が2015年10月に発表したプロジェクトは「空気中から採取したCO2を材料に、太陽光や風力で発電した電力によって、ジメチルエーテル(DME)とオキシメチレンエーテル(OME1)を生成し、これを燃料として使用する車両の開発」

     DMEとOME1はどちらも粒子状物質の排出量が少なく、CO2の再利用や環境にやさしい燃料で走る車両、という点のみならず「燃費改善」の可能性もあるとされている。

     モビリティの世界では水素や燃料電池といったキーワードがよく取りあげられているが、こうした「今までは不要で削減すべきだったもの」を再利用することで、未来のモビリティ技術に貢献するという取り組みも動いている。 空気中のCO2で燃料生成
  • 二酸化炭素を液体燃料へと変える

     エネルギー材料やプラチナなどの希少資源の確保は未来の世界にとって大きな課題だが、一方でCo2(二酸化炭素)のように排出される量自体に頭を悩ませる物質もある。
     しかしこの2つが結びつき、エネルギーの問題と廃棄物の問題を一度に解決するかもしれない技術が生まれようとしている。

     2016年、米国エネルギー省所属のオークリッジ国立研究所(ORNL)は驚くべき発表をした。
     二酸化炭素をエタノールに変える方法を「偶然」見つけたというこの内容は、低コスト・常温で再現させることができ、この方法で生成されるエタノールには、その生産プロセスにおいてプラチナのような高価な金属やレアメタルを使用していないため低コストにも繋がっているのだ。

     今後このプロセスを利用することで、風力発電や太陽光発電で余った電気を再度液体燃料として保管する、などの応用が期待されている。 二酸化炭素を液体燃料へと変える

現在集まっている公募課題

  • 年々増え続ける自動車が生み出す環境負荷を軽減したい

     世界的に増大し続ける自動車保有台数。International Organization of Motor Vehicle Manufacturersによると、2012年の全世界の自動車保有台数は約11億4,000万台を数えた。過去5年で20%弱増えたように、途上国をはじめ世界各国で自動車の普及が…

    • スポンサー企業:AZAPA株式会社
    • 公開日:2015/01/08

    詳細を確認する

  • あなたもastamuseに課題を掲載してみませんか?
    astamuseには月間150万人の技術者がサイトを訪れています。

    astamuseに課題掲載しませんか? あなたの技術的な課題に応えられる技術者がastamuseにはいるかもしれません。 技術分野問わず、未来につながる技術課題をastamuseに掲載してみませんか?

    課題掲載について問い合わせる

本ページに掲載されている公募案件については時点での内容を掲載しております。
各公募内容における報酬や条件、詳細につきましては各リンク先に記載されている内容を
ご確認頂けますようよろしくお願いいたします。

この課題を解決するために共有する

この課題に関連する成長市場

関連する成長市場はありません

この課題に関連するイノベーター企業

関連する企業はありません

「大気汚染の防止」に関連する未来の課題