レスキューロボット・被災地との通信

悪環境でも人命救助をするロボット

最終更新日:2016/10/20

推定市場規模
9.7兆円

 「72時間の壁」という言葉がある。災害における人命救助の生存率は24時間以内で80%だが、72時間以内だと20%まで格段に落ち、その壁を超えると更に5%以下となる。
人命救助における時間・悪環境との戦いの中で、これまでは物理的に困難とされていた状況を打開するロボット技術が近年急成長を遂げている。
レスキューで最も困難とされているのが"救助を求める人を発見する"ことであり、救命探索が悪環境・広範囲である場合にもロボットだからこそ出来る活躍に期待が高まっている。
 レスキューロボットが実用化することで、世界中で多くの命が救われるとされ、経済産業省とNEDOによる市場規模予測では2015年には1.6兆円、2020年2.9兆円、2025年5.3兆円、2035年9.7兆円とロボット産業における国内生産量は期待とともに拡大していくと試算されている。

未来への変化の兆し

  • 被災者との情報通信手段

     地震や豪雨などによる大規模災害の発生時に現地の状況を迅速に把握することは被災者の人命を守る上で重要だが、実際には交通インフラの寸断等によって現地に人が近づけず状況把握が困難なケースがある。
     そこで人が近づく事の出来ない地域の上空に小型無人飛行機を飛ばし、現地の画像等情報を簡便かつリアルタイムに把握する技術の実用化に向けた取り組みが進んでいる。これにより災害発生直後の初動時における情報収集を迅速かつ高い精度で行い、被災地との通信や救助活動、食料調達の手配などを実行する事が可能になると期待されている。

     小型無人飛行機の一つ、AeroVironment社の開発したPuma-AEには無線中継システムが搭載されており、重量は僅か500g弱という軽さのため手投げでの離陸が可能となり専門知識や技術、大規模な離発着場所を必要とせず利用する事が可能である。
     この小型無人飛行機の通信可能時間は約1時間半で、1機での通信可能範囲は約4~5km程度の距離だが2機間を上空で中継させることにより通信距離を伸ばすことが出来る。
     そのため孤立地域や災害によって通信環境がなくなった被災地に無線LAN通信環境を形成し、現地との通信や情報収集に役立てることが可能となる。

     被災地における無人飛行機の活動は単にネットワーク環境を形成するだけでなく、カメラを搭載し画像での情報収集を行うもの、上空から捉えた情報から被災状況を3D映像化するなど多種多様な機能のものが存在し、今後の災害発生時に被災者と被災地を救う情報通信手段として大きく期待されている。 被災者との情報通信手段
  • 災害対応無人化ロボット

     全世界では様々な災害によって毎年約1億6千万人が被災し、約10万人の尊い命が失われている。
    大規模な地震や津波・台風が生じた場合、現地での救助活動は大量の瓦礫や高温火炎、高放射線の状況下など困難を極める。
     このような状況を打開するため小型で救助隊が通行困難な悪路でも進行可能な無人走行ロボットを用い、救助隊が到着するまでの食料や必需品を届けるという手法が注目を集めている。

     一例としてiRobot社のUrbieを元に開発されたPackBotは、爆弾処理に長けており紛争地域で約3500台が既に導入されており、民間人の犠牲者や爆弾処理時に人命が危険に晒される機会を減少させた功績によって米軍から感謝状が贈られるほどの実績を持つ。時速9キロで可動式キャタビラにより瓦礫や階段などの障害物も乗り越え、約2メートルの高さから落下した場合にも耐えられる設計になっている。
     日本においては火災発生時に消防士が近づき難い災害現場に対応するレスキューロボットが消防庁により開発されている。カメラや熱センサーを備え火災状況を把握するだけでなく的確な位置に自動運転によって移動し消火・放水活動を行うなど、災害時に活躍する可能性を秘めた多くのロボットが実用化されつつある。

     予期せぬ災害に対して救助側の人間が対応できない場面で、人命救助という使命をロボットによって遂行する研究が進んでいるのである。 災害対応無人化ロボット

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