地球外資源・深海・地下資源

希少資源を極地で探索

最終更新日:2017/01/11

推定市場規模
90兆円

 地球上で採掘する資源には、埋蔵量の枯渇や、分離コストの上昇など、様々な問題がある。そのため、地中や深海、宇宙など未開地での資源採掘に期待が寄せられている。
2011年時に確認された世界の天然ガスの埋蔵量は約200兆m3だが、これに加えて、未確認のガスがその2倍以上存在するとの見積もりがある。また、海底下微生物が有する有用遺伝子資源の開発や、地下生命圏における新しいエネルギー資源の獲得についても挑戦が始まったばかりだ。
 今後、採掘手段や、採掘した資源の安定的な輸送手段などの実用化に向けて、従来にはない技術革新が求められており、国土交通省によると2030年の世界市場規模は90兆円にものぼるとされている。

未来への変化の兆し

  • 海洋資源探索

     地球規模の課題である「エネルギー資源の確保」において、地球の70%を占める「海」に注目が集まっている。
    未だ手付かずの深海底には石油・天然ガスなどのエネルギー資源に留まらず、銅やレアメタル、マンガン、金・銀などの鉱物が存在し、その埋蔵量は陸上で採掘可能な量をはるかに上回ると言われている。
     しかしこれまでは深海底鉱物資源が存在する事やその場所を特定できていない事に加えて目的場所の水深の深さ等環境に耐えうる機材・技術が無かった等の理由でなかなか探査が進まない状況にあった。

     しかし、現在はマンガン団塊が水深6000mの大洋底に半埋没していることや、銅・鉛・亜鉛・金・銀からなる多金属硫化物が東太平洋海膨や南太平洋北フィジー海盆に分布していること、コバルト・リッチ・クラストがマンガン団塊に類似物質かつ白金を含む特徴を持ち海山の斜面や頂部に存在することなどが特定され始めている。
     そして探査機器においても深海底まで照らせるライトや海底の状態・性質を把握し加工する技術、水深に耐えうるカメラや操作機器などが実用化され人工衛星からの観測も行えるほどの段階まで来ている。

     近年急速に発展した深海底探査・採掘は、多くのエネルギー資源や鉱物資源を把握・確保することで資源問題解決の糸口となり、その海洋深層水なども含めた海洋資源を有効活用することで環境破壊によるエネルギー開発を脱却し、深海と言う未知の領域の理解が進むことで新たな技術革新にも繋がると期待されている。 海洋資源探索
  • 宇宙資源

     鉄や白金属、レアアースなど現在地球上で採掘されている有用金属には採掘量の限界が見え始めているものもある、その一方で既に小惑星にはこういった金属を含有率の高い状態で膨大に含んでいる場所が数多く存在していると言われており、これらを地球上に持ち帰り活用できれば資源問題を解決することができると考えられている。

     一例として、直径3kmの面積に及び地球での有用金属を含有する小惑星が存在し、これを地球に持ち帰る事ができれば地球上における総生産量を上回る量の白金等が手に入る。
     しかし宇宙資源を地球に持ち帰る為には往還コストの問題が存在する。例えば探査機「はやぶさ」では最大200グラムの資源を採取するが探査機打ち上げコストは200億円以上となり、1グラム採掘あたり1億円のコストという到底実用的では無い計算になってしまう。

     こうしたコスト面の解決、そして安定的に宇宙資源の採掘を行うための手段として「宇宙エレベーター」という地球に戻るときは重力で引き寄せ、宇宙へ向かう際は遠心力で稼働する軌道エレベーター技術の実用化が期待されている。
     地球以外から資源を調達し活用する段階までを実現する事で、今後資源の枯渇という課題に直面していく状況を打破する糸口になる。 宇宙資源
  • 大腸菌を活用したレアメタルの回収

     日本は、レアメタルの大半を輸入に依存しているがその一方で日本近海には豊富なレアメタルが眠っているといわれている。問題は、その採取方法の確立だ。

     資源採掘と一見かかわりが薄そうな生命科学の研究で、このレアメタル採掘の未来に重要な研究結果が出た。
     法政大学の山本教授は、ゲノム分野を専門とした大腸菌の研究に取り組んでいる。
     この大腸菌の4500個ある遺伝子のうち、モリブデンなどレアメタルに反応する遺伝子を活性化させると、特定の金属だけを回収・蓄積できるのではという仮説の元、実証実験を行い大腸菌を用いたレアメタル回収・蓄積の仕組みを発見した。

     この仕組みを応用すれば、日本が輸入に頼っているレアメタルが国内でも海水から採取可能となったり、工業廃液に含まれるリンや亜鉛などの環境汚染の要因とされる金属を回収し、地球環境の改善に役立てたりするなど、さまざまな分野への発展も期待できる。

     現在は、今回実験対象となったモリブデン以外の金属でも同じことができないか?を企業と共同研究を行っている段階だ。
     今後、こうした「金属の応答性」に着目した研究が、世界の資源問題を解決する糸口になるかもしれない。 大腸菌を活用したレアメタルの回収
  • 宇宙産業へのベンチャー企業参入

     現在、政府と大企業・研究機関の連携や、大企業とベンチャーが連携するような組み合わせは珍しいものでは無くなっている。
     しかし、宇宙関連事業は他分野と比べ大規模な資金や研究拠点が必要といった理由から、NASAやJAXAなど国の機関主導であることが多かった。

     2016年12月、チーム「HAKUTO」の運営母体である株式会社ispaceはJAXA(国立研究法人宇宙航空研究開発機構)と【月資源の採掘、輸送及び利用等に関する産業の創出・展開】に向けた覚書を締結した。
     まずは月資源の特定、採掘、貯蔵、輸送、販売及び宇宙空間における利用その他必要な事項を含む月資源を用いた産業の全体構想を進めるとしており、
     それらを実現するための国内外・官民の役割や枠組みについても検討を進めため、個別の提携トピックではなく今後の流れを見据えたものであることが伺える。

     宇宙産業は、ロケットの打ち上げコストの低減や宇宙船、着陸船、ロボットなどの技術革新により「宇宙資源の採掘」が急激にSF映画の世界だけではない、現実的な成長産業として注目されている。
     米国に比べ、民間企業の参入が遅れていたが日本においても航空技術やロボット、採掘・加工技術など、既存の技術が有効展開されることで、未来の資源問題を解決する日が来るかもしれない。
    宇宙産業へのベンチャー企業参入

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